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離婚による中古一軒家の売却 相続か?相続放棄か?

【事例3  杉並区のTさん(男性)の相談】
(※個人情報の関係上、詳細はふせてあります。また相談者には事例掲載の承諾を得ています。)

◎金銭的援助で奥様の実家そばの戸建てを購入

Tさんは、妻1人子2人の4人家族。
昨年末母親が亡くなり、

実家である川崎市の家(土地約120坪・築35年の建物)を弟と2人で相続する事になる。

既に父親は2年前に他界していて、

それ以来弟夫婦が実家の川崎に戻り、

同居して母親の面倒をみていた。

 

Tさんは、長男でもあるし、

いずれは実家にもどる事を父親と約束していたそうです。

しかし、3年前奥様の強い希望もあり、

杉並区の奥様の実家のすぐそばに出た中古の一戸建てを購入した。

 

もともとの約束であったし、

大学・留学と学費の全てと生活費の全てを両親に出してもらっていた為、

杉並区の一戸建ての購入にはかなり悩んだそうですが、

家を購入するにあたっては、

奥様の実家からの金銭的な援助もあり、

半ば奥様に押し切られた格好になったのだそうです。

 

父親が亡くなってからは、1人になった母親を気遣い、

月に一度程度は実家に帰っていたが、その母親も昨年末亡くなった。

 

◎相続か?相続放棄か?

相続するにあたっては、弟はTさんに対して、

相続の放棄を求めてきたそうです。

今までの経緯を考えれば、Tさんも仕方のない事だと思い、

相続財産を放棄して、弟の意思を尊重しようと考えていたそうです。

もし、弟と2人で相続する場合、

家を売らなければならないし

そうなると、弟は住むところが無くなってしまう。

 

Tさんは、弟に対する感謝の気持ちもあり、

売ってしまうと帰る場所がなくなってしまう寂しさもあったそうです。

 

特にお金に困っている訳でもなかったし、

自分がそこに住む気も無かった為、

弟と話し合った結果、放棄する形にしたそうです。

 

ところが、Tさんの奥様が猛反対。

理由はお金である。

「家を買うときには1円も出してくれなかったんだし、当然相続する権利はあるんだから・・」との事。

 

◎相続放棄と離婚

Tさんは1年間考えに考えた挙句、

さらにその間奥様とも、奥様の実家とも話し合ったが、

今度は奥様との関係もぎくしゃくし始めてしまい、

奥様の実家とも疎遠になり、

結果、実の兄弟である弟の事を考えて、

相続を放棄する事を決める。

 

当然、奥様とはすれ違い、

相続の放棄をした後、奥様とも離婚する事になる。

 

Tさんからは約1年前に相談を頂き、私の考えと一般的な考え、

そしてTさんの両親に対する想い、弟に対する感謝の気持ち、

そしてお金の事ばかり重視する奥様との関係をどうしたらよいか、

1年間に渡り、話し合ってきました。

 

Tさんとは1週間に1度の頻度で連絡し、

月に2回は会って話し合いを続けてきました。

 

1年間の間にはでいろんな方向性が出てきましたが、

結果相続放棄(川崎)と自宅売却(杉並)、

売却して残った現金は全て奥様に譲渡する事をTさんは決めました。

 

『本当にいいんですか?』と私の問いに、

Tさんは『間違ってないと思います・・』と。
『相続も放棄して、家も売って、お金を渡したら、

何も残んないですよ・』と私。
『結構すっきりした気持ちですよ。』と、

Tさんが笑った。

 

◎成約

売却自体は2日目に満額で成約。

(価格は一切下げないとの奥様の言い値と通して)
私の友人が田舎の両親用にと家を探していたので、

タイミング良く購入してもらいました。

 

ちょっと古くてちょっとだけ高かったのですが、

その友人も『親父たちにはこのぐらいの古さが丁度いいんじゃない?値段は貸しね!』笑って言われたので、

見透かされているようで、恥ずかしい気持ちでした。

 

その後もTさんとの関係は続いています。

後日、購入した人が私の友人だと分かって驚いていましたが、

私も隠しておけず、話してしまいました。

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