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夫と弁護士に騙された連帯保証人の妻、救出的売却

【事例6  渋谷区のYさん(女性)の相談】
(※個人情報の関係上、詳細はふせてあります。また相談者には事例掲載の承諾を得ています。)

 

こんにちは松野です。

 

もうそこまで症状が悪化していると

競売になって自己破産になるしかないだろう・・

 

私の所には、そんな末期的症状を抱えた家の売却相談が

舞い込んできます。

 

アスピリンを投与した所で、気休めにしかならず、

手術をしても、完治する見込みのない家の末路。

 

いろんな不動産会社に相談してみたものの、

頭痛に胃腸薬を飲ませるような対応しか出来ず、

あげくの果てに弁護士に相談したら、

『競売しかないですね・・』

 

もうこの段階で手の施しようが無い。

 

と、普通はそう考えますよね。

 

 

別居中の夫が競売と自己破産覚悟で住宅ローンの未納を続け、

そこに住み続けている連帯保証人の妻は、対抗策もなく

家が競売になり、自分も自己破産になる事を恐れ

仕方なく親にお金をかりて住宅ローン未納分の一部にあてる。

 

しかし、その状態をいつまで持続出来るのか?

 

夫とは一向に連絡は取れず・・

 

夫には弁護士が付き、知恵を埋め込まれ、

妻はどんどん追い込まれます。

 

そこで夫の弁護士から打開策を打ち明けられ、

まんまと夫と弁護士の戦略に負けてしまって、

夫の好条件の基に離婚する事で進めていました。

 

妻側の弁護士はというと、

着手金をしっかり受け取って、その後は流れに任せていた感じでした。

 

妻の電話にも3回に1回ぐらいしか出ない程度で。

 

妻はネットで調べた善意の離婚弁護士という方に依頼したにも関わらず、

妻の意向は受け止められず、善意な対応もなかった。

 

そもそも夫は自己破産覚悟と言いつつも、

本当の腹は自己破産するつもりも覚悟もないのではないか・・

 

そんな風に勘ぐる事さえ出来ます。

 

ある意味腹をくくったふりをしていたのが功を奏する事になるはずだったのです。

 

妻の弁護士も夫の弁護士の意向に沿った方が早く解決できるし、

もらえるものは早くもらいたいので、

妻の意向とは裏腹に相手の弁護士の戦略に乗っかって終息を図りたかった。

 

その前ふりとして『最終的には競売しかないですね・・』と、

妻に先制のジャブを与えておいて、じわじわとジャブが効き始めて足がふらついた頃、

その回避策を与える。

 

この方法によって、冷静さを欠いた妻を両方から一方的に丸めこもうとしていた訳です。

 

 

私に相談がきた段階ではこういう状況でした。

 

妻は自己破産への先入観と自己防衛本能が入り混じって冷静さを欠いていて、

連帯保証人の詳細さえ把握出来ていない状況で、

そこをうまく突かれた格好でした。

 

 

 

そこで一転反旗を翻します!

 

 

夫の代わりに払っていた住宅ローンを完全にストップさせ、

夫の弁護士が作成した協議書にも同意せず、捺印もしない。

夫の弁護士の指示で進めていた家の明渡しも一方的に中止し、

そのまま居座り、相手の出方を待つ作戦に出ました。

 

その間夫側の弁護士、妻側の弁護士の連絡も一切絶って、

書類が送られてきても完全無視を決め込みます。

 

家に送られくる銀行からの督促状などは封を開けず、

妻が別居中の夫のマンションのポストに投函。

 

これで本当に夫が競売も自己破産も覚悟しているのかどうかを探る事に。

 

夫は役職付きの公務員。

 

そんな夫が自己破産を覚悟しているとは到底思えない。

 

私には明らかな勝算がありました。

その理由は

①自己破産を覚悟しているのであれば弁護士などには相談しない

②サラリーマンで自己破産を覚悟出来る人などそうはいない

③夫は年収800万円、夫婦に子供はいない。夫には絶対に隠し預金がある。

④夫は仕事人間で昇進欲が強い。

 

そんな事から夫は絶対に自己破産も競売も覚悟していないし、出来ない。

絶対にこちらの作戦に乗ってくると踏んでいました。

 

 

1ヶ月後・・・弁護士から郵便や電話が・・

 

 

2ヶ月後・・・同じく弁護士から郵便と電話が・・・

 

 

3ヶ月後・・・弁護士から郵便も電話も無く・・・

 

 

3ヵ月半後、やっと、しびれをきらした夫が妻に電話をかけてきました。

 

 

そこで私が紹介した弁護士が代わりに電話を・・

 

『奥様ももう疲れきっていて、何も考える余裕が無いようですし、

奥様もご主人様と同様に競売も自己破産も覚悟されているようですよ・・』

 

さらに・・

『来月ローン支払いを滞納すると4ヵ月を超えます。』

『債権がサービサーに移りますので、もうじきその書類も届くと思います。』

 

『今更じたばたしても仕方ありませんから、競売になるのをゆっくり待ちましょう』

 

夫は震える声を押し殺して、言葉が出ない・・

 

電話の向こうで夫の膝の震える音が聞こえてきて

これが夫の作り上げた戦略の崩壊の瞬間でした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

その後、両方の弁護士を外し、

妻には私が紹介した弁護士が代理人になって

滞納分は夫が一括で支払い、

離婚の協議もセーフティーで痛み分けし、

家の売却は弊社で請負いました。

 

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