不公平はありがたい③
ウェルワークス | 2012/10/16 | ニュース・ブログ, ヒトリゴト
17才で家を出て
中野区弥生町の空調の会社に入社(?)しました。
寮完備、経歴不問、年齢不問、即日入社可能。
こんな条件にあう会社はそんなに多くない。
なので、それ相応の人が働いているのは簡単に想像がつく。
寮完備。
といっても、8畳のワンルームに
錆びて手油が染みついて、べとべとしたパイプの2段ベッドが4つあって、
青カビのすっぱい臭いと、やにの臭いが混じってで
1時間居るだけで、あたまがくらくらする部屋。
靴下を履いて歩くだけで足裏にじわっと感じる湿度。
そして、寮の住民は
体じゅうに鮮やかな模様が入っている人。
腕や足首に黒い墨を入れている人。
国籍の違うアジア系の人と南国系の人、あとインド人。
オール金歯で、いつもにやにやしている人。
歯がなく、梅干しみたいに口元がしぼんだ年齢不詳の人。
などなど私も入れて計8人。
17歳の男の子には全くもって住んだ事のない、まさに異国。
2日前に東京にやってきて、いきなり多国籍か・・
と、言いたくなるくらい不思議な臭いが混じった異国。
乗せてもらった10tトラックの運転手の敏(とし)さんが、
青梅駅近くで最後の荷物を下ろす時、
私も一緒に降ろしてもらった。
『母親には連絡しとけよ。。』
と言い残して、敏さんは行ってしまった。
長崎の諫早から広島の呉、 呉から滋賀、
滋賀から長野、長野から青梅。
荷物の積み下ろしを手伝いながら、
4日間のヒッチハイクの旅。
幸運にも、1台のトラックで、東京までこれたのだ。
そして初の東京。
中央線に乗って、新宿へ。
憧れの西新宿を歩いた。
高層ビル群に吐き気を催して、
歩きながら公園を探し、そこのベンチで夜を明かした。
朝になって、高層ビル群を背に、
フロームAを片手に西へ歩き、
熊野神社前の交番のお巡りさんに声をかけられそうになって、
小走りに路地に逃げ込んだ。
そこから方南通りをさらに西へ。
当てにしていた会社に着いた。
そこが、その異国の寮がある会社だったのだ。
30分前に電話予約をしておいたが、
初めての道で、地図もなく、人に聞いて・・・
15分の遅刻。
電話予約の時もそうだったが、
言葉のなまりのせいか、受付の女性がは『日本の方ですか?』と・・
大変失礼な話だが、それに反論する余裕も無く面接へ。
『履歴書は?・・』
『免許証は?・・』
『いや・・もっていません。』
『住民票は?・・』
『いや・・それも持っていません。』
『いくつ?』
『17歳になったばかりです・・』
『どこから来たの?』
『長崎です。』
『両親には言ってきたの?』
『・・・・・・』
これで、面接は終了。
仕事の内容は
ビルの空調設備の交換と、保守点検。
朝5時から夕方5時までが仕事。
寮に戻る6時以降は自由な時間。
寮に風呂が無い為、
銭湯に行く人もいれば、
買い物に行く人、夕食に行く人、寝る人もいる。
私はといえば、すぐに川島商店街の中の銭湯に行って、
銭湯の向かいの中華屋で夕食を済ませ、
商店街入り口付近のパン屋で夜食を買って帰る。
ほとんどそのルーティーンで、
川島商店街でそのほとんどを済ませていた。
6日目の仕事の後、銭湯に行って、
向かいの中華屋に行こうと思ったが、
うどんが食べたくなって、蕎麦屋を探す。
近くに蕎麦屋がなく、誰かに聞こうと思って、
銭湯から出てきたおじさんに声をかけた。
すると、僕の肩を誰かがトントン・・と。
つづきは次回で
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