遺贈について
ウェルワークス | 2007/05/07 | ニュース・ブログ
こんにちは、松野です。
ゴールデンウィークの休暇もひと段落し、
余韻を引きずりながら、仕事をしている方も多いと思います。
私は今年のゴールデンウィークは、
自宅の玄関と庭先、ウッドデッキの掃除を命じられていたので、
一日だけ休暇をもらって、汗をかきました。
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さて今日は遺贈について、お話したいと思います。
【遺贈】
遺贈とは、遺言によって財産を他人に無償であげることをいいます。
遺贈によって、利益を受ける者を「受贈者」といいますが、
受贈者は自分以外の第3者であれば、法定相続人でも、
それ以外の個人でも、法人でも構いません。
遺贈には、『包括遺贈』と『特定遺贈』の二つがあります。
『包括遺贈』とは・・・・・・・・・
財産全体に対する割合を示してあげることで、
たとえば、「全財産の3分の1をAに遺贈する」というようなことです。
これは相続人以外の人に対するものですが、
相続人に対し同じことをする場合は、
実質的に相続分の指定と同じことになります。
包括受贈者は、相続人と同じ権利義務を有します。
よって、相続人とともに遺産を共有し、
債務も継承することになります。
そこで、具体的に財産を取得するには、
遺産分割にも参加することになります。
また、遺贈を放棄する場合は、相続人と同じく、遺言者が死亡したこと、
自分に遺贈があることを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に
放棄の申請をしなければなりません。
この手続きをしないと承認したものとみなされます。
しかし、包括遺贈者は相続人と次の点が異なります。
①遺留分がない。
②代襲相続はない。
(受贈者が被相続人より先に死亡すると、遺贈の効力は生じない。)
③共同相続人が相続を放棄したり、他の包括受贈者が放棄したときに、
相続分が増加するのは相続人だけで、包括受贈者の持分は増加しない。
④包括受贈者の持分については、登記がなければ、第3者に対する
対抗はできない。
『特定遺贈』とは・・・・・・・・・
「甲土地の4分の1をBに遺贈する」とか
「乙銀行の預金全部を遺贈する」
のように、特定の不動産や特定の金銭財産を示して遺贈することです。
『特定遺贈』は『包括遺贈』と異なり、特に遺言で指定が無い限り、
遺言者の債務を引き継ぐ事はありません。
また、遺贈を放棄する場合も、家庭裁判所に申請する必要はなく、
いつでも放棄することが出来ます。
但し、受贈者が遺贈を受けるのか放棄するのかをはっきり示さない場合
相続人は受贈者に対して、相当な期間を定め、承認するか放棄するか
催告することができます。
そして、その催告期間に受贈者がはっきりした態度を示さない場合には、
遺贈をうけるものとみなすことにしています。
次に、遺贈による所有権移転登記について、お話します。
①遺言書の文言が重要です。
特定遺贈の場合、「遺贈する」とあれば、相続人に対するものであっても、
「遺贈」を原因とする移転登記をすることになりますが、
相続人に対し、「相続させる」とあれば、
「相続」による所有権移転登記をすることになります。
②遺言者の死亡時の住所が登記簿上の住所と異なる場合、
所有権移転登記の前提として、住所変更の登記が必要です。
③遺言執行者が選任されている場合は、受贈者と遺言執行者の
共同申請によって、登記を行いますが、遺言執行者がいない場合、
登記の申請は、受贈者が権利者、遺言者の全員が義務者となって
行う必要があります。
④上記のとおり、受贈者と遺言執行者あるいは受贈者と
相続人全員不動産の共同申請になりますので、
義務者(遺言執行者または相続人全員)の印鑑証明書と
不動産の登記済権利書(登記識別情報)が必要になります。
⑤受贈者が遺言執行者に選任されている場合は、受贈者が
登記権利者兼登記義務者として登記手続きを行う事もできます。
⑥目的物が農地の場合は、特定遺贈であれば農地法3条の許可書が
必要ですが、包括遺贈あるいは相続の場合は不要となります。
ところで、・・・・
遺言によっては、相続人以外の者に全財産を包括遺贈することは、
原則として有効ですが、公序良俗に反するような包括遺贈
(例えば、妻以外の女性に全財産を遺贈する)は無効であるとする
判例もあるようです。
また、法定相続人の遺留分を侵害することはできないので、
法定相続人がいる場合、相続人から遺留分の減殺請求がなされる
可能性もあります。
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